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………………………………あれから何時間、いや、何日経っただろうか。 気付いたら俺は見知らぬ森で気を失っていた。
『…んんッ…つぅ……ここは…どこだ、どうなったんだ…?』
俺はゆっくり上半身を起こした。頭を打ったらしい。頭部に鈍い痛みを感じながら周りを見た。…凄い不気味な森…が第一印象。夜のせいだろうか。
『って夜…?…確か俺はガロース橋にいたはずだけど…俺は何時間寝てたんだ………ん?』
ザッザッと何かが歩く音が聞こえた。おそらく人だろう。音をした方向を見れば微かに明かりが灯っている。
…正直考えた。おもいっきり知らない森に倒れて、どこだかわからないのに誰ともしらない人にそう自分をアピールして良いのだろうか…?人さらいだったら元も子もない。…しかし。
『…ここがどこか聞いてみよう』
このまま情報もなしにここにいる方が危険と判断して、意を決して聞いてみようとしたのだ。明かりもゆっくり動いている。見た感じ人数は2、3人だった。
『あの、すいません』
茂みから声をかける。自分の存在に気付いてもらおうとした。
『…ん?』
その声に反応して人影は止まり、茂みを向いたのだ。茂みから姿を現す。
『…ここはどこですか?』
恐らく傭兵か何かであろう。明かりを点けている事からパトロール中だろうか?スケープは傭兵二人に話しかけた。
『ああ、ここは…、そういえばここら辺で見かけない顔だな…それに怪しい……【カラーパーツ】を見せろ』
傭兵は地図を出そうとするが、茂みから夜に出て来たスケープ。…確かに怪しい。しかし―――
『へっ?【カラーパーツ】?何ですかそれ。あ、通行証かなんかの総称か何かですか?』
全く聞き覚えのない言葉が男性の口から飛び出した。…間違えなく、今までの人生の中でも聞いたことのない言葉だ。どこかの領地に連れ込まれたのだろうか、と思い違うスケープ。しかし傭兵の反応はとても呆気にとられていた。
『なッ何…【カラーパーツ】を知らない……【タスカル】だぁーーーッッ!!捕まえろーーーッ!』
傭兵が叫ぶと、どこからともなく数人の傭兵が姿を現し、スケープ゚を取り押さえた。
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