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『え、あッ!バカ、話聞ッ…ぐぁッ……』
スケープは後ろから近づく男の剣の頭部で殴られて気を失ってしまった。
『おまえ達…このような奴一人も迅速に捕らえられないのか……?』
『しッ……シュノーゼル様ッ!も、…申し訳ありませんッ…!』
銀色に染められた長髪は気品と冷たさを同時に現している胸には王都と王冠の紋章。見たままではどこかの王都の上級隊長であろう。傭兵達は一斉に頭を下げる。心なしか怯えているようにも見える。
『ザッザッ……』
そしてシュノーゼルはスケープを見つけ、叫んだ傭兵の前まで行けば…
―――グサッ!
『かはぁ……ッ!!!』
シュノーゼルの腰に差されていた長い長剣がその傭兵の腹部を貫通したのだ。
少量の血しか吐かないのはそれほどまでに剣が正確に臓腑を貫通しているからだ。剣を抜けば傭兵は貫かれたヶ所を押さえ、恨めしそうにシュノーゼルを見つつ…倒れた。
『まぁいい…。この男の名を聞いておけ………今なら…【サラマンダー城】が空いてるだろう……そこにでもいれておけ…』
シュノーゼルは何か不敵な笑みを浮かべながら傭兵に命令したのだ。
『はッ…』
スケープは抱えられ、近くにあった馬車に乗せられサラマンダー城へと向かうのであった。
『――ククッ…貴方も人が悪い…サラマンダー城には確かもう一人捕まえていたでしょうに……』
シュノーゼルの後ろ、木々に隠れていた一人の男がシュノーゼルに話しかけた。
『なに…虫がもがき、カゴから逃げ出す瞬間を見るのががどれだけ楽しいか…わからないわけではないであろう…?○○○……』
現れた男は○○○と言うらしい。
『……貴方も少し嗜好品が私と似てきましたか……?』
『さぁな……さぁ、これでそろった……。』
『後はあの青年が“鍵”と“真実”に繋がればいいのです…私はその手伝いに……』
『そうだ…全ては―――――このパレットの上で彩り始めるのだ―――』
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