始まり

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俺は背中まで伸びている髪をうなじらへんで一本に纏め、仏壇に向かった。 仏壇には俺の最愛の両親と俺の写った写真が置いてある。 「父さん、母さん。俺、今日から高校二年生だよ。 これからも天国から俺の事を支えてくれ。 じゃあ、行ってきます」 俺は仏壇から出て、リュックに弁当を入れて家から出て行った。 外は四月と言えどもまだ寒い。 俺の通っている高校、県立 清涼学園高等部は俺の家から徒歩で約10分という極めて近いんだけど…。 「まだ、少し寒いな……」 そんなシリアスな雰囲気に馴染んで着たが… 「おはよっ!銀君!!」 俺の事を銀君と呼んだ奴は俺の幼なじみ、 綾瀬 楓だ。 「あぁ、お早う。楓」 「銀君。物静かなのは相変わらずだね」 「これが俺だからな」 「銀君の証はそれだけじゃないでしょ?」 楓が俺の髪と瞳をじっと見つめる。 「どうした?」 「え?う、うぅん!ただ何時もと変わらない綺麗な髪と瞳だから……」
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