葉月

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その夜、私は目が冴えていて眠れなかった。 きっと臨時集会で酷い目に遭ったり、葉月と久々に会ったりして、神経が昂ぶってるんだろう。 お姫様ベッドから静かに這い出る。隣に眠っている紗月ちゃんに布団を掛け直し、部屋からそっと出た。 ギシギシ鳴る階段をそろりと降り、台所に向かう。 一階に降りると、玄関が少し開いていることに気付いた。 無用心だな。 戸を閉めようと玄関に降りると、戸の隙間から外が見えた。隙間から玉砂利を踏む音が漏れ聞こえてきた。 誰か、外に出てる? 私は好奇心に駆られて外に出た。暗くなった視界に慣れないまま、玄関の前で辺りを見回す。5月も半ばというのにまだまだ肌寒い。上に何かを羽織ってくれば良かった。
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