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俺がまだ小学校に上がる前父親が交通事故で亡くなり、母親は女手1つで俺を育ててくれた。
父親と結婚する前仕事らしい仕事もしたことがなかった母親はお弁当屋の調理やコンビニエンスストアのレジなどのパート勤務で生計を立てていた。
当然家は貧しく、俺は高校を卒業したものの、折からの不景気で、就職もできず家でぶらぶらしてばかりいた。
そんな俺に母親は
「そのうちいい仕事が見つかるよ」
と独り言のように呟いては無理に明るく笑いかけていた。
ある日、母親は
「パソコンぐらい使えないと就職も難しいのかね」
と呟き、俺を電器店に連れていった。
パソコンのことは何も知らない母親と俺は店員に勧められたパソコンを買い、インターネット接続の作業も頼んで店を後にした。
帰るとき母親は
「25万円かー、こんな大金を使うのは父さんが死んで初めてだね」
と笑った。
新たに増えた月々15000円のローン返済のために母親は、パートを増やし夜遅くまで働くようになった。
俺の方は無料で遊べるネットゲームを見つけ、その面白さに魅せられ、来る日も来る日もひたすらゲームばかりしていた。
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