追試

2/17
1449人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
――――7月―――― この季節、夏休みというビッグイベントを控え、世間一般の高校生は皆、ウキウキ気分のはずである… しかし… ここには、まるで死んだ魚のような目をした男が一人いた… 玲「…。」 言うまでもなく、高見沢玲…その人である 由希「…玲?生きてる?」 玲「…。」 由希「玲?」 玲「…。」 由希「駄目だこりゃ…。」 呼びかけに一切反応しない俺を見て、由希はため息をつきながらそう言った 響也「よし、俺に任せろ。」 響也はそう言うと、雑誌を持って近づいて来た 響也「玲、見てみろ。明日、お前の大好きなNI〇Eのスニーカーの新作が出るらしいぞ! 見てみろよ!今回のはかなりカッコイイ…。」 玲「…。」 響也「効果なしだな…。」 啓介「響也も馬鹿だな~…。こういう時はな…あっ!あそこにエロ本が落ちてるぞ!」 葵「そんなんに引っ掛かる訳ないでしょうが…。」 啓介のあまりにアホな一言に、葵はため息をつきながら突っ込んだ 啓介「やっぱり?」 葵「当たり前でしょうが。ハァ…これは相当重症ね…。」 響也「全く…どうしたもんか…。」 4人は一斉にため息をついた 何故、俺がこんなことになってるかというと…今から少し前に遡る…
/53ページ

最初のコメントを投稿しよう!