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もう口は塞がれていないのに、声が出ない。
男の左手が私の肩の後ろから伸びて、Tシャツの首元から入ってくる。
『……………!!!』
嫌だ…
声が…
声が…なんで…出ないの…。
コンタクトを外してる上に真っ暗闇で何も見えない。
それでも少しでも何か手掛かりを見つけようと後ろを振り向くと
『こっち見るな!』
と包丁を握った右手で私の頭を掴み、ぐるんと前へ向かせる。
後頭部に、包丁の柄が当たった。
少しでも動けば、頭が切れる。
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