被害

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男は何か喋る訳でもなく息を荒げる訳でもなく、ただ無言で私の胸を触っている。 目の前では初任給で買ったコンポの画面が青く光っている。 男はTシャツの首元から手を抜くと、ハーフパンツに手をかけた。 『………ぃ……ゃ………』 声になっているのか、自分でも分からない。 必死に足を閉じて抵抗する私をよそに、男は右手は包丁を握ったまま親指だけで、左手をせわしなく使いながら私のハーフパンツを下ろしていく。 体の横を包丁が通っているのが分かる。 時々肌に刃が当たり、ヒヤリとした感触が伝わってきた。 私は必死に声を振り絞った。 『………も…うすぐ…同居…人が…帰ってくるから……っ!!』 犯人は怯むかと思ったが手を止める事は無かった。 私の言葉なんか聞いちゃいなかった。 ついにハーフパンツは下着と共に全ておろされてしまった。
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