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夏休みが終わり、暦の上では秋になったとはいえ、まだ残暑は厳しい。
つい授業中も上の空になりがちに窓の外を見つめる生徒も珍しくもない。
そんな1人の珍しくもない女子高生・朝倉真帆。
普段は少しくせのあるふんわりとしたセミロングの髪を下ろしているが、この日は珍しく結っている。
派手すぎず、地味すぎず。容姿端麗とまでいかなくとも、目を伏せながらノートを取る姿は見る人が見れば悩ましげに映るだろう。
明るく真面目な彼女はクラス委員にも抜擢される程度に人望もあった。
そんな真帆の机の隅に、そっと小さく折り畳まれた紙切れが置かれる。それに気付いた真帆はその紙を広げ、短くまとめられた内容に目を通した。
「放課後付き合って。 理佳」
理佳とは真帆の斜め後ろの席の女生徒。
「今日は委員会があるから、その後でいい?」
真帆は彼女に返事を書き、小さく結んだ紙を理佳の机に投げた。
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