夢の終わりに

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僕は夢の子供だった。 あの人に望まれて僕は生まれた。否、創られた。 『あの子はとても綺麗な子だったもの。だから、この世の綺麗なものだけを集めてあなたを創ったのよ』 あの人は満面の笑みと共にそう言った。 彼女が僕に課した存在意義は、自らの「息子」であれ、というもの。 本棚の上に置かれた写真立てを覗いた事がある。 僕と同じ顔をした少年の笑顔。だけど、彼と僕とは決定的に違っていて。 彼はあの人の実の子供で、僕は生き物ですらないモノ。 でも、彼はその未来を永遠に絶たれて。あの人はその現実を受け入れられなくて。 「僕」という、甘ったるく凍りついた夢に身を委ねた。
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