1人が本棚に入れています
本棚に追加
あの人はいつも綺麗なものを好む。彼女の本当の息子は、きっと何物にも代え難いほど美しい存在だったに違いない。それを失って、あの人の心は壊れてしまった。
傷を塞げるなら何でも良かったんだろう。きっとその為だけに、僕は創られた。
だったら僕はその役目を全うさえすればいい。それが彼女の望む事なんだから。
心なしか、胸の奥が軋んだ気がした。
「あれ……何だろう?」
ふいに、僕は花畑の合間に覗く瑠璃色に気が付いた。
最初のコメントを投稿しよう!