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「おう」
『出るの遅いですね、片山さん、家じゃないんですか?』
あ、三輪の声だ。
なんか、今聞くのって、ちょっと、やばいかも。
さっきまでの想像してた三輪がちらついて、握った手が震える。
その振動でゆらりと立ち上がりかける俺のモノ。
あぁ、ダメだ、こんな事やめろって、自分。
なのに、手はゆっくり動き初めてしまってる。
止めたいような、止めたくないような……
…………三輪に悟られないように、声だけは、しっかりとしないと。
「…家だよ、自分の部屋。ちょっと寝てた」
『本当ですか?』
「あぁ、俺がお前に嘘ついた事あるかよ」
『…ないですね』
はは、ついてるけど、嘘。
嘘も方便ってことわざもあるしな。
「学校終わったのか?……」
『えぇ、家です』
「そうか、で、なんだ?」
『片山さんで抜いてたら、声が聞きたくなって』
笑いながら、三輪はそう言った。
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