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「あ、じゃ、もう電車に乗るから切るな」
気が抜けすぎて、今日はもう誰かとどっかに行って、はしゃいでしまおう。
あ、そういえば橘からメールきてたな。さっき。あいつ誘って、カラオケでも行こうかな~
とか思っていたら、三輪は見越していたのか、釘をさしてくる。
『片山さん、今日はすみません、けど、おとなしく家にいてくださいよ』
「は?なんで?お前は勉強だろーけど、俺はもう羽のばしてもいいんだし、いーだろーがっ」
『そんな事言って、橘さんとでもどっか行くつもりですか?』
「え?・・なんで、分かった?」
『やっぱり、、、片山さんの事なら何でもわかりますよ。でもダメですからね』
「なんで、お前に指図されなきゃいけないんだよ」
『いえ、指図じゃありませんよ、片山さんの為に、言ってるんですけど』
今までと明らかに違う三輪の声。
その口調はかすかな怒気を含んでいて、三輪との最初がトラウマのようになっている俺は条件反射のように身体を強張らせてしまう。
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