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「ありゃ、最低…ってやっぱ俺の事だったぁ?アハハッ、悪かった。ゴメン、ゴメン!」
この渋谷陸という男は女を取っ替え引っ替え、来る者拒まず去る者追わず…手が早く、軽い男として有名なだけあって謝り方まで軽かった。
「でもおかげで助かったよ。じゃーな…」
「ちょっと待ってよ!!」
あっさり帰ろうとする渋谷陸。
あったまに来た私は、ヤツが首に巻いていたマフラーを引っ張り、呼び止めた。
「う゛っ……オイ、何すんだよ!?」
渋谷陸は、少々ムッとしたようにそう言った。
「“何すんだよ”は、こっちの台詞だっつぅの!!あんな事しといて…言う事ってそれだけ!?」
私は渋谷陸がした行動にも腹がたったが、その後の態度の悪さにもっと怒りを感じた。
「あんな事って…ちょこっとキスしただけじゃん。それとも何?もっとして欲しかったとか?」
は!?
ちょこっと?
しただけ?
――ふざけんな。
。
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