D.F.L.～Short Stories～

オレを好きになればいいのに……。

｢元々旧文部省でエリートコースを歩いていた人なんで、文部科学省に顔が効くんですよ。それを利用して、自分の息子の再就職を邪魔しまくってるらしいです。採用したら助成金を減らすぞ、とか何とか脅しを掛けて。｣

佐伯くんは忌々しそうに吐き捨てた。

｢………………。｣

私はそれを聞いて絶句した。

蓉木先生があの内閣官房長官の息子だと言う事実にも驚いたけれど、それよりもさらに権力を使って自分の息子の再就職を妨げる親がいることに驚きを隠せなかった。

何て……酷い。