149人が本棚に入れています
本棚に追加
/295ページ
「……健やかなる時も、また、病める時も、夫を信じ、愛し抜くことを誓いますか?」
「誓います。」
静かな教会に、緊張のために震えた私の声が響いた。
「それでは、神の御前にて、誓いの口付けを。」
私は目を閉じ、早く大きく鳴る心臓の音に耳を傾けた。
「奈未子さん、一生あなたを離さない。」
真純くんは私の顔を覆うベールを持ち上げ、手を肩に掛けて顔を近付けると、そっと触れるか触れないかのキスを落とした。
END.
最初のコメントを投稿しよう!