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ブー…ブー…
私の携帯が、
震えた。
この音は、嫌い。
胸が
締め付けられるような
…感じがする。
電話…“湊”
「はい…」
《美羽!?今どこだよ!》
「関係ないでしょ」
《夫なんだから関係あるんだよ》
…“夫”?
何が夫よ…
《聞いて「さよななら」
…ツー…ツー…
辛い…話したくない。
涙が止まらなくて、
庭でうずくまっていると
「ママ?」
「っ…!」
愁が、来てくれた。
「どぉしたの?」
「な、ん…でもないよ…」
「ママが、泣いてるの…嫌だぁ…」
愁まで泣かせてしまった
「ママぁ」
ギュッーーーーー
小さな小さな体で
震えている声で
私をしっかりと
包み込んでくれている。
「愁………ごめんね…」
「……ママは、僕が守るね」
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