とりあえず将来の事とか考えたくないよね

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「実は今日から転校生がこのクラスに来る事になった」 「胡桃ちゃーん、その転校生は女の子ですかー?」 誠一が目を輝かせながら手を挙げて聞いた。 「喜べ男子どもっ!転校生は超の付く程美少女だっ!」 その瞬間、男子の雄叫びが教室のみならず、学校全体に響き渡った。 俺は叫びこそしなかったが、淡い期待を持った。 それにしても胡桃ちゃんハードル上げるねー。 「よし、入れ」 胡桃ちゃんに促され、一人の少女が教室へと入って来た。 彼女は一度頭を下げ、自己紹介を始めた。 「初めまして、結崎瑠璃(ユイザキルリ)です。父の仕事の都合で一度こっちから海外に引越したんですが、また戻って来る事が出来ました。皆さんよろしくお願いしますね?」 完璧だった。 胡桃ちゃんの上げたハードルの上を軽く跳び越え、大気圏まで飛んで行くようだ。 長く艶やかなプラチナブロンドの髪(ハーフ?)も、整っていながらも未だあどけなさを感じる顔立ちも、終始絶えず微笑んでいる表情も、まるで人形の様でありながら人形には無い温かさがある。 しかし、 しかし、だ。 こんな美少女と呼んで差し支えない女の子と仲良くなれる程、世の中甘くは無い。 仮にギャルゲーなら、俺の様な普通を絵に書いた人間がモテるなんて言うビバ仮想空間的な展開が・・・って何を言っているんだろうね。 フラグにもなりゃしねぇよ。 「その髪は自毛ですかー?」 早速、誠一が手を挙げて質問した。 「祖母がドイツ人で、私はクォーターなんです。ですから、この髪は自毛です」 と、誠一なんかの質問にも笑顔で答えている。 因みに説明を省いたが、腹立たしいことに誠一は世に言うイケメン(イケないメンズではない)に分類される顔をしている。 まぁ、中身はアホなんですけどねー。 畜生、イケメンは全員体中に漆塗りたくって悶絶死してしまえ。
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