とりあえず将来の事とか考えたくないよね

6/23
前へ
/41ページ
次へ
若干黒いアレを垂れ流しそうになりながら、間違っても美少女転校生が誠一なんかに惚れませんように♪と祈った。 教室中が狂喜乱舞する男子のお蔭で、湿度が上昇し・・・ん?湿度? 何故こんなにも湿度が上がっているんだ? 疑問に思い辺りを見回すと、誠一を筆頭に相当な人数の男子が「ハァハァ」していらっしゃる。 俺は急いで窓を開け換気を試みたが、換気が追い付かない様だ。 生理的嫌悪感を全身に感じながら、俺は無理矢理心を落ち着かせ、可能な限り呼吸を止めた。 誰しも駄目生理現象「ハァハァ」によって汚染された空気なんて吸いたくないよねー。 「黙れ男子っ!…潰すぞ?」 具体的に何処を潰すのかは定かではないが、胡桃ちゃんの一喝で教室内は静かになった。 誠一に至っては顔面蒼白状態だ。何処を潰されると思ったのだろう。 「まぁ、変人が多いかもしれないが気の良い奴らばかり…だと思う。仲良くしてやってくれ」 変態と呼ばない胡桃ちゃんの優しさに全男子が泣いた。 「席はあの空いてるとこだ」 そう言って胡桃ちゃんは俺の席の隣を指差した。 あれ?何このお約束感。 なんて下らない事を考えている俺をドスルーする形で転校生がこちらに向かって来る。 別に自分の席に着く為であって、決して俺が目的ではない。それくらい自覚してますよー。 下らない思惟を加速させながら、ぼんやりと美少女転校生を見ていた。 何か御利益ありそう。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加