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若干黒いアレを垂れ流しそうになりながら、間違っても美少女転校生が誠一なんかに惚れませんように♪と祈った。
教室中が狂喜乱舞する男子のお蔭で、湿度が上昇し・・・ん?湿度?
何故こんなにも湿度が上がっているんだ?
疑問に思い辺りを見回すと、誠一を筆頭に相当な人数の男子が「ハァハァ」していらっしゃる。
俺は急いで窓を開け換気を試みたが、換気が追い付かない様だ。
生理的嫌悪感を全身に感じながら、俺は無理矢理心を落ち着かせ、可能な限り呼吸を止めた。
誰しも駄目生理現象「ハァハァ」によって汚染された空気なんて吸いたくないよねー。
「黙れ男子っ!…潰すぞ?」
具体的に何処を潰すのかは定かではないが、胡桃ちゃんの一喝で教室内は静かになった。
誠一に至っては顔面蒼白状態だ。何処を潰されると思ったのだろう。
「まぁ、変人が多いかもしれないが気の良い奴らばかり…だと思う。仲良くしてやってくれ」
変態と呼ばない胡桃ちゃんの優しさに全男子が泣いた。
「席はあの空いてるとこだ」
そう言って胡桃ちゃんは俺の席の隣を指差した。
あれ?何このお約束感。
なんて下らない事を考えている俺をドスルーする形で転校生がこちらに向かって来る。
別に自分の席に着く為であって、決して俺が目的ではない。それくらい自覚してますよー。
下らない思惟を加速させながら、ぼんやりと美少女転校生を見ていた。
何か御利益ありそう。
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