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『翔 起きなさい!
あんた 今日から 高校でしょ! 早く 早く』
俺は オフクロの怒鳴り声で 飛び起きた
辺りを 見回し 電池が抜けた 目覚まし時計を見て 唖然とした
さっき 蹴りを お見舞いした時 外れた 電池が 床に 申し訳無さそうに 転がっていた
しまった! やっちまった!
俺は 神谷 翔 今年から 海清高校に通う1年生だ
『翔 早くー』
「解ったよ 今 行くよ」
今 階下で 怒鳴り声を 上げてるのが 俺の オフクロ 口うるさいが 俺の事を 大事に 思ってくれていて いつも 雨の日も 雪の日も 俺の姿が 見えなくなるまで 玄関に立って 見送って くれる
そんな オフクロだ
俺は 窓のカーテンを 勢いよく 開け放つと 太陽が 思ったより 眩しくて 一瞬目を つぶってしまった しかし… 昨日の夢… あれは…
はっと 我に帰り 急いで 階段を 降りた
アカン 遅刻や
オフクロが 用意してくれた 朝食に手を伸ばす
いつも 買ってくるパン屋の クロワッサンに ハムと 焼いた玉子を挟んで マヨネーズを かけたシンプルな 朝食だけど 俺は 好きだった ふっと テレビを 見ると あるクスリの話題で 持ちきりだった いわゆる 都市伝説 あるクスリを 手に入れた者は 億万長者になったとか 医者になったとか 廃人になってしまったとか
また よくある話やな~と 思いながら 何故か 名前だけが 頭に
残った…その名は…
『イフ』その単語だけが 頭の中で 回り始めた… 昨日の 夢?…
if…もしも…
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