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「ならしょうがない、お前達は留守番だ。良い子にして待ってろよ。」
各々の頭を撫でながら足下に降ろし、軽く手を振りながら『ゲート』へと向かう。
「あっ…あの、兄さん……」
消え入りそうな声で、楪が彩人に呼びかける。
「ん、どうした?」
振り返り、呼び止めた妹の方に顔を向ける。
少し俯き加減な顔を真っ赤にさせ、此方を見ている。
「……あの~デスねぇ、私も、頭を……撫でて欲しいなって…。」
クスッと笑みが溢れる、妹の傍まで行き優しく頭を撫でる。
「…兄さん、いってらっしゃい。」
「いってきます。」
頭から離れた手を、名残惜しく見詰める楪を後に。
躊躇い無く『ゲート』へと入って行く彩人。
そして、物語は冒頭へ戻り、時は動き出す。
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