大東亜戦争戦死者の書

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九月二十五日一時半、我一生ここに定まる。 お父さんへ、いうことなし。お母さんへ、御教訓身にしみます。 お母さん、ご安心下さい。決して僕は卑怯な死に方をしないのです。お母さんの子ですもの。 それだけで僕は幸福なのです。 日本万歳、万歳、こう叫びつつ死んでいった幾多の先輩達のことを考えます。 お母さん、お母さん、お母さん、お母さん!! こう叫びたい気持ちで一杯です。何か言って下さい。一言で充分です。 いかに冷静になって考えても、何時も何時も浮かんで来るのはご両親様の顔です。父ちゃん!母ちゃん!僕はこう何度もよびます。 「お母さん、決して泣かないでください」 修が日本の飛行軍人であったことに就いて大きな誇りを持って下さい。勇ましい爆音をたてて先輩が飛んで行きます。ではまた。 (23歳) 台湾高雄西海上にて航空殉職
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