大東亜戦争戦死者の書

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はぎに告ぐ かねてより申し聞かせし如く、夫たるべき我は最も皇国に生をうけし男子の花と散りたるぞ。 泪は、そちのほこりの泪たれ。心静かに我がすがたを見られ度し。我が子のすがたを見られたし。靖国の父は影の如く付き安泰を守らむ。 強き母、清き母として、和代、昌栄、美登里の母として強く強く生きぬかれよ。和代は生来神経質なれば特に育成に配慮あれ。昌栄は少しオテンバなれば親元にて教育され度し。美登里は未だ年少なれば充分に気を付け本人に力あれば智を付けるも良し。 和代、昌栄、美登里、お母さんのよい子になりなさいよ。そして靖国の社へ会いに来なさい。幾度も幾度も。 はぎよ強く生きぬきなさい。良き母として、良き母として。 (33歳) ルソン島にて戦死
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