a spring days

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「まるで雪みたいだねっ」と景子は言った。それはもう24年も前の事で僕たちは小6。学校の帰り道でランドセル背負って小さな雑木林の脇を歩いた。季節は春!桜が満開。周りは桜の花びらが舞い道路は桜の花びら一面白に染まった。空は絵の具の青を水に溶かした様に淡く鮮明。すぐ近くには道路に線路に賑やかだが僕たちの所には届かず静かで穏やかな春を描いた暖かい春の一場面だ。     すくなくとも記憶の中では絵の様なまたは映像の様なものとして。昔を思い出す僕たちは客観的に眺めてる。少し遠く白く塗りつぶししていない部分から。まだ12才の僕とちょっと大きいヤッパリ12才の女の子。ふたりの思い出は後ろ姿に微かな淋しさを刹那に心をよぎった。大人になったはずの僕が今でも少し悲しく感じる。 
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