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一面に舞う桜を雪だと景子は言った。僕は桜だと言った。
景子「まるで雪」
秀貴「そうかぁ?」
景子「まぁいいや」
僕より三歩半先で景子は振り向いた。長い髪はキラキラと光りいつも意味深な事を言った。
景子「秒速五センチってなんだ?」
秀貴「分からない」
景子「何だと思うか少しは考えて秀貴くん」
僕は分からないから素直に…
秀貴「分からない」
としか言えなかった。
景子「桜の花びらが落ちる速さ…秒速五センチメートル」
秒速五センチメートル…
秀貴「景子は良く知ってるね」
景子はにっこり微笑み嬉しそうだった。
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