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景子「もっとある。雨は秒速五メートル。雲は秒速一センチ」
秀貴「くも?くもって空の?」
景子「空の雲」
秀貴「雲は浮いてるでしょ!」
景子「雲も落ちてるの。小さな雨の集まりなんだよっ。雲は大きいし遠いから浮いてる様に見えるの。雲の粒はゆっくり落ちながらだんだん大きくなって雨や雪になって私たちの所にやって来るの。」
秀貴「へ~そうなんだ」
と僕は青空を眺め桜の花びらが舞う光景を目にしながら感心するばかりだった。景子の話すその楽しそうな表情を見ると自然の真理を感じる様にも思えてならない。
秒速五センチメートル…
景子「へ~そうなんだ」
と景子が僕の言葉をからかいながら繰り返した。そして駆け出した。
秀貴「待てよ景子」
僕は景子を追いかける。
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