さあ歌おう

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  あれから三日が経ち、アタシは、目黒“先輩”達とよくつるむようになってしまった。 そのせいで…。 「桂奈!屋上行こうぜ!」 「何だ、お前達は!」 授業中でもお構い無しで来るように…。 「授業中は来るなよ…」 サクッ。 「あいたっ」 教科書を頭に置き机に伏せると、後ろから飛んできた紙飛行機が首に刺さる。 後ろを向くと、東条が紙飛行機を開いて見ろと指示する。 取り合えず開く。 《今日カラオケ行かね?行けたら伊勢さん呼んで》 今ゆー事かー!? ぐしゃ! 紙飛行機を握り潰す。 空気を読め! 東条を見るとちょっとデレデレしてる。気持悪い。   アタシも紙に返事を書いて丸め、目黒先輩ともめている教員にバレないように東条に投げた。 「ッシャ!」 東条の額にストライク。 東条は紙を開くと、残念そうな顔をした。 アタシは紙にこう書いたのだ。 《土日のどっちかだったらいい。つーかデレデレすんな。気持悪い。奈那子誘いたかったら自分で誘え》 まあ、奈那子がいると楽しいから結局はアタシから誘おうと思うけど。 「町田、この先公ウゼェから女子便に突っ込んでくんね?」 「りょーかい」 ガシッ。 教員が町田先輩に両腕を捕まれ何処かへ連れ去る。 丁度、授業終了のチャイムが鳴った。 「授業も終わったし…行こうぜ、桂奈」 腰に腕を回され引き寄せられる。 女子の視線がなにげに痛い。 「安本、安心しとけ。ジュンには言わないから」 一回東条を殴りたい。  
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