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ゴッ!
「ヴッ…!」
広い屋上では男子生徒が四人いた。
一人は頬を赤くし、地面に倒れ、もう一人はあとの二人に囲まれ、何度も拳で殴られていた。
バキッ!
「ヤメッ…」
「おーい、リクちゃーん」
突然、屋上に眼鏡をかけ、左耳に赤いピアスをした男子生徒が現れた。
殴る側の二人の手が止まる。
「アァ?なんや、コウかいな」
下唇にリングの形をしたピアスをつけている関西弁の男子生徒は口の端を怪しく上げた。
「リクなら“式が終わったから俺は寝に行く”って言って体育館に行った」
殴る側のもう一人の生徒はボサボサの髪を上げ、ポケットから煙草とジッポを取り出し煙草に火をつけた。
眼鏡の生徒は深く溜め息をすると、倒れている生徒に近付く。
「まぁ~た厄介な学校に目ェつけられやがって…」
殴られた二人は三人とは違う制服を着ている。
「何が寝に行く、だ…アホめ……面倒臭いのは人に押し付けやがって…」
「どうするよ。コウ」
しばらく考え、口を開く。
「背中に北斗七星の形に根性焼きでもしとけ」
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