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「諒(マコト)ぉ~。
早く起きなさぁーい。」
「うぅーん…。
あと五分んんんー。」
「…確実に遅刻だな。」
母の声だと思っていたのに、急に男の声がしたのでガバッと飛び起きる諒。
「なんで蒼祐がいんだよ?
出てけ!!」
先ほど諒を起こした声の主、蒼祐に向かって枕を投げつける。
「ほぅ、お前そんなこと言って
いいの?
せっかく遅刻確定の諒お嬢さ
んを車で送ってやろうと思っ
てたのによぉ。」
その言葉を受けて、諒は携帯で時間を確認する。
「ああぁぁぁぁぁー!!
ち…遅刻どぅわあぁぁぁぁー
!」
諒は急いで着替えを始める。
「ちょっ…。
お前ねぇ、俺が居んのに躊躇
無く着替えるか、普通?」
「うるせぇ!
そう思うんならさっさと出て
け!!」
そう言うと、Tシャツを脱いで蒼祐に投げつける。
「はいはい。
優しく起こしてあげた俺にこ
の仕打ち?
もう送ってやんねー。
盛大に遅刻しろ。」
そう言い残して蒼祐は諒の部屋を後にし、一階のリビングで諒の母親に珈琲を貰う。
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