三十六

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それともう一つ…。 一度居場所を失った総司が、再びそれを失う恐怖。 それらが総司を隊務に駆り立てるのだ。 (馬鹿野郎…。  おめぇの居場所は近藤さんの  傍って決まってんだろうが。  隊務に就けなくたって、いい  じゃねぇか…。  病を拗らせてさっさとあの世  に逝っちまうより、  …遥かにちけぇ場所にいられ  るんだからよ…。  近藤さんを悲しませるような  、…馬鹿な真似だけはしてく  れるなよ。  昔から、…それがてめぇの志  だろうが。  剣術馬鹿のクセに、小難しい  事覚えてんじゃねぇよ…。) 芹沢の粛清、山南の最期、仲間の死…敵の死。 『武士として…。』 そう言って散り逝く者達の姿を見て、総司は総司なりに…自分の最期を考えていたのかもしれない。 .
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