DESPAIR-絶望-

2/3
前へ
/47ページ
次へ
そして警察署に着いた。 警察の後ろをついて歩き、テレビで良く見られる<取調室>に入った。 居心地がいいとは嘘でも言えない雰囲気を持った部屋で微かに鼓動が早くなるのを感じた。 平然を装う私に警察は彼の事についてやっと話し始めた。 「付き合ってどれくらい経つの?」 「半年です。」 「どうやって知り合ったの?」 「携帯サイトで…」 「そっかぁ~」 「彼が何したか分かるかな?分からないよね~。彼は…」 と、やっと①番聞きたいことを言いにくそうに声を低くして話し始めた。 「まだ詳しい事は聞き出せていないから、なぜそうしたかとはわからないんだけどね。彼は不法侵入したんだよ。本当に詳しくは言えないが彼はおそらく今日逮捕されるでしょう。」 「………」 凍り付く私。 …逮捕? …まさか、、 …彼が? …嘘だよそんなの。 幸せに過ごせるはずだった。初めて一緒に映画を見に行く日だった。一気に、でもゆっくりと絶望へと堕ちていくのがわかった。 信じられない…いや、信じたくない。そんな混乱してる私に警察はそれからも滝のように質問を次から次へと浴びせた。 私のこと。 彼のこと。 2人のこと。 私の知っているほとんど全てを話した。 彼に今すぐ会いたくて会いたくて仕方なかった。 この想いは儚く散っていくなんて…
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

293人が本棚に入れています
本棚に追加