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真田英明。
5番地に住んでいる15歳の中学生。
周りの友達といつも楽しくやっているつもりだったが、最近心のどこかで物足りなさを感じていた。
回りのやつがどう思っていたのかはわからないがオレはこの密閉された空間にいつも不快を感じていた。
自由のない空間。
外を見てみたい・・・と毎日・・・。
そんなある日英明の親友である勝田正則、通称カツが思いがけぬ物を持ってきた。
いつも通り遊ぶために英明はコンビニの前で待っていた。
すると汗びっしょりになって走ってくる勝田が見えた。
「お~い。遅いじゃないか。いったい何分待たせるんだよ!」
「まぁまて!怒るなって。それよりこれ見てみろよ!ヒデ。」
何が待てだ!と、オレはボヤキながらカツが持っている袋の中を覗いてみると不思議な物を見た。
物・・・じゃないな。
生き物みたいだ。
しかもとても毛深い生き物だ。
ちっちゃくて素早そうだがとても弱っているみたいだ。
「なんだこれ?どこで見つけてきたんだ?見たことない生き物だぞ・・・。」
「さっき学校の隣にある廃屋の工場でネコにいじめられていたんだ。もうほとんど弱ってる。
かわいそうだと思って追い払ってみてみたらこんな生き物が・・・。」
「ネコにか・・・。なんだろうな?今から学校に調べに行こうぜ!」
学校まではこのコンビニから歩いて15分。
ちょうどドームの壁際あるところだ。
歩きながらこの生物について何だろうなと語っていると学校の方向から女の子がやってきた。
マズイ!折原有里だ!皆はユリと呼んでいる。
英明はこの有里が苦手だ!
幼馴染なのだがいつも英明をいじってくる。
「やっほー!ヒデちゃんにカツ君やん。どこいくん?」
「うっせーな!ユリ!!俺にちゃん付けするな!」
不機嫌そうな顔になるユリに対してフォローをいれるかのようにカツが、言う。
「今から学校に行くんだ。変な生き物を調べに。」
「変な生き物?」
と不思議そう袋の中を覗く。
「なにこれ~。変なの~。こんなんみたことないよね~。何処で拾ったの?」
「さっき学校の裏の工場で見つけたんだ。そして今から学校で調べに行くんだ。ちょっと気になるからね。」
「私もいく~!ちょっとおもしろそうじゃん」
「いいよ。じゃ行こっか。」
そして有里が苦手な英明は『余計なこと言いやがって、カツめ』とまたもやボヤキながら俺たちは学校のほう向かった。
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