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学校のとなりにある図書館は一般的にはAWE以降の書物しか見られないのだが、地下には鍵の掛かった部屋があり、そこには古い書物がたくさん保管されていた。
「まぁ付いてきなって」
得意げそうに英明は有里にいった。
そして3人は図書館の地下へ行った。
薄暗い空間。
鍵をかけているので安心しているせいか殆ど図書館の人は見回りにこない。
だが反対にそのせい英明たちのたまり場ともなっていた。
鍵はコンピューターで管理されていて番号を打ち込まないと開かないタイプだが、勝田とって開けるのは朝飯前だった。
そう、勝田はコンピューターの天才だったのだ。
天才なのだがタチの悪いハッカーである。
いつも通りに部屋の鍵を開け英明達は書物をあさりだした。
とても古臭い本ばかりだった。
探しながらも勝田が急に思わぬことを話しかけてきた。
「ヒデ。おまえさ、ユリのことどう・・・?」
「どうって??どうゆう意味なんだよ?」
赤面しながら勝田が答える。
「だから・・・その・・・わかるだろ?」
なんとなく英明も察していた。だが意地悪そうに言う。
「意味がわかんねーよ。はっきり言えよ!」
「おまえほんと意地悪だな。根矢みたいだな。」
「誰だよ。そいつ?そんなやつしらねーな。」
「3年2組に来た転校生じゃね~か。意地悪で有名だぞ!」
「そんなどうでもいい奴の話すんじゃねーよ。」
「・・・・そうだな。ってか、わかるだろ?好きかってことだよ!どうなんだ?」
「・・・。おれに聞く質問か?わかるだろ?苦手なのが・・・。あいつは只の幼馴染だ!」
「そうか・・・。わかった。もう聞かね~よ。」
英明は考える・・・。
『有里は幼馴染でそれ以上も以下でもないよな・・・?』と。
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