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「なぁ、ロビン…つったか?お前さ、運命って信じるか?」
隣に座る男が唐突に聞いてくる。
赤茶けた髪を肩まで伸ばした、人相の悪いこの男が今回の仕事のパートナーだ。
「あのー、レイさん。仕事の話は…?」
そう、今は仕事の話をしていたはずなんだ。
なのに、運命がどうのこうのと、今は全然、全く、塵程も関係ないはずだ。
今回初めてレイさんと組むのだが、どうも何を考えているのかが読めない。
何かダルそうに話す人だな…。
「俺とお前が…、あー…悪りぃ、ロビンが出会った事が運命だとしたら、だ。今回の仕事はいったいどんな運命が口を開いて待っててくれてるんだろうな?」
レイさんはそう言うとやはり赤茶けたマントをヒラリと捲(めく)り、ポケットからタバコを取り出した。
タバコをくわえると、ややダルそうに人差し指をタバコの先に近付け火を付ける。
レイさんの人差し指からは火が出るのだ。
これがこの人の魔法かどうかはわからないが、何かしら関係がありそうな気はする。
「さて、今回の仕事なんだが、」
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