『紫煙の射手』と『ギャンブラー』

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クライムロックシティ。   そこは建造物のほぼ全てが岩で出来た都市。 岩と岩とが複雑に噛み合い、がっしりとバランスを取りながら鎮座するように荒野の真ん中に存在する都市、それがクライムロックシティだった。   俺達はレイさんが言う待ち合わせ場所に向かう。 そこに3人目のパートナーがいるらしい。   都市の中心部、ロックヘヴンパーク。   大きな岩がどっしりと、まるでこの縄張りの長である、と言わんばかりに佇んでいた。 この岩には目がある。否、目だけではない。 鼻、口、耳まであり、丸ごと人の顔を模していた。   「なんか不気味ですね、この岩、モアイとはまた違う不気味さが…。」   俺は岩を見上げながら言う。 モアイのように無機質ならば、ここまで不気味な雰囲気は出ないだろう。   どこか、生きているような。 ともすれば、夜中にでも動き出しそうな、そんな生々しさを感じる。 岩はざっと見ても恐らく7~8メートルはある。 こんな大きな顔がいきなり動き出したらたまったもんじゃない。 それこそ、驚天動地だ。   まぁ、本当に動いたらの話だが。
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