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──さく、さく。
あたりはしんと静まりかえっていて、かごめはまるでこの世界には自分たちしかいないような、不思議な感じを覚えた。
「かごめ、寒くねーか」
ふいに、犬夜叉が言った。
「うん、平気だよ」
繋いだ手が、暖かいから。
「寒かったら言えよな」
その優しさが、
…すごく暖かいから。
「うん、ありがとう…」
犬夜叉の思いやりが、かごめは嬉しくて仕方なかった。
人の心って、なんて暖かいんだろう。
かごめはそう思い、犬夜叉の手をぎゅっと握りかえした。
二人は微笑み合い、仲間達のもとへ歩いていった。
その表情は、とても幸せそうだったという。
──この手が繋がれているならば、どこへだっていけるよ。
ずっと、あなたとともに。
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