初めに

2/14
前へ
/15ページ
次へ
「どうしてあなたはいつも強引なんですか!! 少しは私のことも考えてくださいよ!怒られるのは私なんですから・・・。」 紅魔館のいつもの光景。 門番の紅美鈴は、霧雨魔沙を相手に弾幕を張っていた。 半ば諦めたような声で美鈴は目の前の魔理沙に言った。 「そんなの私の知ったことじゃないぜ。むしろ私は、客なんだから素直に通してくないか?」 「それだったらお客さんらしくしてくださいよ~。」 こちらに来てから何度もやっている口論である。 いつも終止符をうつのは魔理沙のほうであった。 「まぁ今日は時間がないからとっとと通らせてもらうぜ。」 『恋符』【マスタースパーク】!! 魔理沙から放たれた光が美鈴を包みこむ。 「あぅぅぅ・・・。」 光の中から現れた美鈴はその場に倒れこんだ。 「それじゃぁな。」 そう言うと魔理沙は館の中に入って行った。 「うぅ・・・、もうちょっと相手のことを考えるようになってくださいよ・・・。あぁ、また咲夜さんに怒られちゃう・・・。」 そんなことを考えながらちょこんと座って黄昏れた。 次の瞬間、顔を上げ美鈴は立ち上がった。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加