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「あーぁ、また新しいお客様ですか。」
地平線の先を見据えて美鈴は呟くように言った。
しばらくしてから地平線の彼方から何十ともわからない魑魅魍魎が姿を表した。
その先頭に立つ黒装束の男が美鈴に向かって言った。
「そこをどいてもらおうか。
我が用事があるのは、レミリア・スカーレットただ一人。人間に負けるような雑魚に用はない。」
男は、蔑みを含めて言った。
「生憎、私は門番ですのではいそうですかと退くわけにはいかないんです。」
美鈴は、先程の魔理沙の時とは打って変わって凛とした表情をしていた。
「見たところお嬢様と同じ吸血鬼のようですね。
日の光の中で動けるということは多少はお強いのでしょうが・・・
やめておいたほうがいいと思いますよ。あなたでは紅魔館の誰にも勝てないですよ。
それにあなたとお嬢様では気の流れが違い過ぎます。」
男は雑魚だと思っている妖怪に反論されたことに腹をたてた様子であった。
「そうか。おとなしく道を譲るなら命だけは助けたものを。
おい、お前たち。まずこいつから血祭りにあげてしまえ。」
男の声と同時に周りにいた妖怪たちが一斉に美鈴のことを取り囲んだ。
それを見た男は美鈴の死体を思い浮かべたのだろうか。
顔に狂喜の笑みが浮かんでいた。
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