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「貴様は書類の中身など知らぬのだろうな。いや知っていたとしても構わない。どのみちこの書類の重要性に変わりはないのだから…それにしてもIOM、か…ふふ」
「…何を言っている」
「いずれ分かることだ」
意味の分からない事を男は言い、そして銃を構える。
自らのこめかみに向けて。
「どのみち私は終わりだ。書類を奪われたとあっては殺される。ふ、貴様もどのみち私と同じ道を辿るに違いない。その目に焼き付けておけ!」
そう吐き捨て、直後にガァン!と銃声が鳴り響いた。
「……………」
静かに死体を見下ろしてステインは封筒を手に取る。
「(この書類に何か隠された意味があるというのか?)」
最期の予言めいた言葉を反芻しながらステインは目を細めた。
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