3人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
―――部屋に入ったステインは瞬時に横に転がった。
一瞬遅れて銃声が響き、ステインが先程までいた空間を銃弾が抉る。
「ふん。有能な新人が入ったと思っていたのだがな。見当違いだったか」
薄氷のような声が響く。体勢を立て直し、ステインは顔を上げた。
目の前には数人の男がいた。スーツを着ていかにも会社員といった出で立ちだが、その手には格好に不釣り合いな無骨な銃が握られている。
しかし違和感はまったくなく、不思議な程スーツの男達に似合っていた。いかにも使い慣れているといった様子だ。先程の銃弾の軌道の正確さといい、大企業の一室という場にはまるで不釣り合いな光景である。
最初のコメントを投稿しよう!