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その様子を見た大地は本からちら、と視線を健に向けた。
大地『…なら、』
健『良いこと思いついたッ!』
勉強でもやれば?
そう言おうと思った言葉は見事に健の叫びにも近い言葉によってかき消された。
優磨は嫌な予感がした。
健が何かを思いついた時は大抵傍迷惑な思いつきだからだ。
大地『…却下。』
健『はぁ!?何でだよ。』
大地はいち早く察知したのか、健が何も言わないうちにばっさりとその案を切った。
それにもやはり納得のいかないという顔をして健は言う。
健『なら、大地抜きでやるからいいよ。』
大地『優磨だって嫌に決まってんだろ。』
本のページを捲りながらこれまたさらりと言ってのけた。
健『優磨!ジャンケンで負けた奴がこの教室に入ってきた女子に告白するっての!面白そうじゃね?!』
大地『…やっぱりろくでもない。』
優磨の元に駆け寄ってきた健はとても楽しそうな顔をしていた。
大地はというと、もう既に諦めた様子で読書にいそしむことにしたようだ。
健『優磨ぁー。なぁ、やるだろ?そいつが断ればそこでおしまいなんだしー。』
優磨『…どっちでもいい。』
健『よっしゃ!決まりっ!』
つまらなさそうに外を見る優磨とは対照的に、健は何だかかとても楽しそうだ。
健『じゃぁ、じゃーんけーん、ほいっ!』
向き直った優磨を見て、健は言う。
その結果、
優磨がパー、健がチョキということで優磨の負け。
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