出勤

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出勤

俺は『おはようございます』と会社のドアを開け軽く作り笑いをした 課長は『コラ!ロクデナシお前また酒臭いな』と俺を見た 俺は『課長の気のせいちゃいます?僕酒呑んでませんもん』と笑って自分のデスクに座った 課長は『嘘つきが!本間嘘ばっかりつきやがってお前わ』と笑った 俺は『なんですの?僕生まれてこの28年間嘘ついた事ないですて』と笑った 課長は『それが嘘やないか、嘘つきは泥棒の始まりや!』と笑った 俺は『嘘つき課長ですやん、』と笑った 課長は『俺がいつ嘘ついたんや』と笑った 俺は『こないだ新地の姉ちゃんに独身やゆうてましたやん、めっちゃ嘘つきですわ』と笑った 課長は『お前あの店の姉ちゃん全員に可愛いな可愛いなゆうてるやないか』と笑った 俺は『気のせいですて、幻聴ですか?耳鼻科か精神科早よ行って下さい』と笑った 課長は『アホか!お前が精神科行け!』と笑った 俺は『精神科行き付けありますから僕、薬漬けでキツイですよ?』と笑った 課長は『お前の相手したらアホ移るから相手せんとこ』と笑った 俺は笑いながらデスクの書類を掻き分けた 『あの今日から入りました木下です、宜しくお願いします』と笑った 俺は『真島です、宜しくな、頑張ってね、わからん事あったら誰かかあの事務員に聞いたらええから』と笑った 木下は『はい、真島さんインテリな感じですね、』と笑った 俺は『そんな事ないで君辞めんといてな』と笑った 木下は『僕今日入ったばっかりですし大丈夫です、辞めないですよ』と笑った 俺は『前の奴1ヵ月もたんかったからな』と笑った 木下は『なんでなんですか?そんな仕事キツイんですか?』 俺は『わからん、なんでやろな』と笑った パソコンの画面を見てると頭痛が酷くなる、 キーボードを叩く音さえ不快だ、 電話のコールが響き出した 俺は『コラ!!小林!お前これ俺んとこの書類ちゃうやろが!』と叫んだ 小林は聞こえていないふりをする、いつもの事だ 俺は『木下!!あの事務員捕まえてこい!』と叫んだ 木下は『え?どの事務員さんですか?』 俺は『アイツや!髪の毛後ろでくくってる女おるやろ!』と叫んだ 木下は『はぁ…』と小林の所に行った 木下は『あの真島さんがあの事務員捕まえてこいゆうてますけど』 小林は『また真島さんか、もうなんやのよ…顔しかええ所ないわ』
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