プロローグ

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僕はサムエル 皆からはサムと呼ばれている。 僕はかくれんぼってやつが得意だった。 僕は皆とくらべて肌の色が黒かったから暗い所に隠れるとなかなか見つからない。 僕らが暮らしている町には汚れた白い石畳の上に崩れた石の家が幾つもあるんだ。 僕らはひとつの家の中で皆でくらしていた。 町の回りにあるのは海と言われている果てしない水たまりと荒野と呼ばれている果てしない大地だけだ。 こんな場所でも僕はここが好きだったんだ。 みんな好き。 優しい花が好き。 みんなと一緒にいれる幸せの中で満足していた。 僕の生まれた世界の中で・・・ 僕らが生きてきた世界の中で・・・ この僕たちの小さな世界の中で・・・
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