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私は照れ隠しでけらけらと笑った。 兼田さんも、ハハ、ハハ、と声を徐々に高くして笑った。 ドラッグストアの駐車場では、そぼ降る雨がかすかにプツプツと車体に当たる音を立てていた。 兼田さんの骨の一本曲がって飛び出た傘が、私のうす紫の花柄の傘と、しゃべるたびに重なっては離れるようにして際(きわ)やかな空間を創った。
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