No.2 第一の願いとバニラの香り

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「次に。私の力も無限ではありません。出来る事と出来ない事がありますから、その際には何卒、ご容赦下さいますよう。何、大概のお願い事は、叶えて差し上げますからご安心あれ」 誇らしげに胸を反らすジャッキー。 「――じゃあ、どうしようかな……えーっと、何にしようかな、お願い」 「さあ、果たして彼は、一体どのような願い事を口にするのか!? その願いは叶えられるのか!?その先には一体何があるのか!?」 ノリノリですねえ。 「――続きはウェブで」 僕はジャッキーの胸倉を掴む。 「て、てめー、ウェ、ウェ、ウェブだとぉ? 誰でもインターネットにアクセス可能だと思ったら、思ってるなら、思い込んだら試練の道をっ!」 行くが男のど根性っ、であります。 「落ち着いて下さい」 反り返りながらも冷静沈着なジャッキー。 「いっつ・あ・あらびあん・じょうく、でありますな。そのような歪んだ表情を浮かべていては、折角の男前が台無しではありませんかな」 お、おとこまえって、そんな、しょ、正直過ぎるでしょ、ジャッキー殿? 「さてさて。どう致しますか? 直ぐにでもお願い事を? 決断力溢れる男前なら、即断即決するのでしょうなあ……」 あ、当たり前じゃないですか! 僕は、男の中の男、手形一息その人ですよ? 「当然っ! 直ぐです直ぐ直ぐ! べらんめえ! こちとら」「委細、承知致しました。では。お願い事をどうぞ」 丁寧な仕草でお辞儀するジャッキー殿。 そ、そうですね。お、お願いですよね? ……えーと。お願いお願い、と。はて。 何にしようっかな、お願い。
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