No.3 第一の願いと妹

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僕の世界は、家と学校と親戚ん家と友達ん家と、自転車で行ける範囲と、電車で行った事ある所と車で連れて行かれた場所と、テレビやパソコンやケータイの画面の中―― んなモンかな。 それでも、そうでなくても、僕はこうして生きて存在している。 でも死んでしまった伊季(いき)――妹は、妹の世界は、その時点で終わってしまった。 人々の記憶の中に生きるって、それはそれでいいけど、結局それって、死に頻した当人と残された人を慰める為の、方便にしか思えない。 生まれ変わり? 僕には到底信じられないし、あったとしてもだから何だ、と言いたい。 前世の記憶を持っていたからと言ったって、やっぱりそれは別人だろ? 所詮、僕達一人一人は、点に過ぎない。 大いなる流れの中のほんの一握り、一粒、一滴。 僕達は、人類という種を存続させる為にこうして存在しているんだ。 だから伊季を甦らせたいという僕の祈りは、僕の独りよがり、我が儘だ。 許されない、そして決して叶う事の無い、妄想に過ぎない。 妄想に過ぎなかった筈、なのに。 伊季? カナウカモシレナイヨ?
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