No.3 第一の願いと妹

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「ちゃっ、違うもんっ! 僕、犯罪なんか犯してないもんっ! 清廉潔白にして純情可憐なロンリーウルフだもんっ」 男は狼。 「それにつけてもお前ってば、いつの間にそんな成長して」 カットソーの胸の辺りが、慎ましくて、なだらかな膨らみを帯びている。 それは緩やかなカーブを描いて、その下のくびれを強調。 腰周りへと連なる女性特有のラインを形成する。 「ちょっとぉ」 更に言わせて貰おう。 細過ぎない程好い肉付きの太腿と、引き締まってすっきりとしたふくらはぎと、きゅっと締まった足首の、生足色白肌コンボも悩殺的でありましていやはや全く我が妹――「だから何、人の体ジロジロやらしー目で何度も何度も何度もっ! この、妄想セクハラ王子!!」 「嬉しくねぇ! その王子嬉しくねぇ!」 今更もいいトコだし。 「そんな事よりさ、お前どうして?」 聞き糺(ただ)したい事は山程ありますぞ。 「んな事、あたしに聞かないでよ。分かる訳なくない?」 むむ。 「すっかりもう女子高生だなぁ。クラスの女子と会話してるみたい」 「嘘は止そうよ嘘は。女子高生と会話した事なんてないっしょ。見栄張ったって無意味――って、わっ! 何、涙ぐんでんのよっ!?」これが泣かずにいられるかってんでぇっ。 「ぐすっ。んぐっ。ふぐうっ」 「あー、もう。爆弾落としたって感じ? 参ったお手上げー」 肩をすぼめて両手を上げたまま、下唇を突き出し目を細める。 「慰めてっ! せめて慰めてっ! 思いは言葉にしなきゃ伝わらないのよっ」 「お取り込み中、申し訳ありませんが」 品のある、重厚なその声は。
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