No.3 第一の願いと妹

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「うひゃあっ! 誰ですかアンタッ」 不法侵入者めっ。 窓から入って来るとは。鍵掛けてなかったっけ。 「もうお忘れですか? 鶏並の記憶保持能力ですな手落ち様」 「わざとですってば! わざとに決まってるじゃないですか」 「微説明させていただきます」 「何ですかその『微説明』って」 「微妙な説明、という事ですな」 「普通に説明して下さいませんか」 はぁ~、と大仰な溜め息を吐くジャッキー。 小馬鹿にしたようなニュアンスを含んではいまいか。 今の僕は手負いの虎。 敵に回すべきではないのでは? 「何かご不満でも?」 「いえいえ! 滅相もございませんですっ! さあ、どうぞ微説明をっ」 スマイルスマイル。 「な、情けなっ」 伊季が、聞こえるか聞こえないかの音量で、ぼそり呟く。 すっスマイルスマイル。 ジャッキーが厳かに、微説明を開始する。 「先ず一つ。いかにして妹君が甦ったのか。これは簡単です。私の力であります」 胸を張ってみせるジャッキー。 「そして次に、どうして妹君は、成長しているのか。これも簡単ですな。それだけの月日、年月が経過していますから」 そーゆーもんですか。 「さて、それよりも重要なのがこれから微説明致します――」 「あ、兄貴ぃっ。あた、あたし、何かお腹空いちゃったなっ」 育ち盛りですねぇ。 「――まだ微説明の途中で」「OK!僕が腕に選(よ)りを掛けて世にも類い稀な絶品料理を御馳走するよっ!」 張り切っちゃうぞー。 「わあ♪ すっげ楽しみ。期待してるよっ!」
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