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「うひゃあっ! 誰ですかアンタッ」
不法侵入者めっ。
窓から入って来るとは。鍵掛けてなかったっけ。
「もうお忘れですか? 鶏並の記憶保持能力ですな手落ち様」
「わざとですってば! わざとに決まってるじゃないですか」
「微説明させていただきます」
「何ですかその『微説明』って」
「微妙な説明、という事ですな」
「普通に説明して下さいませんか」
はぁ~、と大仰な溜め息を吐くジャッキー。
小馬鹿にしたようなニュアンスを含んではいまいか。
今の僕は手負いの虎。
敵に回すべきではないのでは?
「何かご不満でも?」
「いえいえ! 滅相もございませんですっ! さあ、どうぞ微説明をっ」
スマイルスマイル。
「な、情けなっ」
伊季が、聞こえるか聞こえないかの音量で、ぼそり呟く。
すっスマイルスマイル。
ジャッキーが厳かに、微説明を開始する。
「先ず一つ。いかにして妹君が甦ったのか。これは簡単です。私の力であります」
胸を張ってみせるジャッキー。
「そして次に、どうして妹君は、成長しているのか。これも簡単ですな。それだけの月日、年月が経過していますから」
そーゆーもんですか。
「さて、それよりも重要なのがこれから微説明致します――」
「あ、兄貴ぃっ。あた、あたし、何かお腹空いちゃったなっ」
育ち盛りですねぇ。
「――まだ微説明の途中で」「OK!僕が腕に選(よ)りを掛けて世にも類い稀な絶品料理を御馳走するよっ!」
張り切っちゃうぞー。
「わあ♪ すっげ楽しみ。期待してるよっ!」
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