NO.5 妹とバニラアイス

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次の記憶は、病院の診察室。 向かい合った医師が、哀れんだような表情をしている。 「私では手に負えない。しかし、代わりに優秀な医者を紹介します。紹介状を用意致しましょう」 医師は、無理矢理に微笑んだ。 そして気が付いた時―― 「ちょっとぉ。いつまであたし、放ったらかしにする積もりぃ?」 「おやおや、これは私とした事が。失念していました」 妹の生首を大事そうに、慎重に抱えると、テーブル上にそっと置く。 優しく髪を撫で付けると僕の方を向かせた。 「ったくもう、立ち直るのに、どんだけ掛かってんのよっ」 生首、普通に喋ってますけど? 「あぁ」 ジャッキー医師が頭を掻いた。 「これはこれは私とした事が。――説明を要する事態ですかな」 ですねぇ。 「さて。どこから話す可きか。私と妻の馴れ初めからお話する可きですかな?」 「誰も聞いてませんよ」 「興味無いわよ」 「実につれない二人ですなぁ。そう言わずに耳を傾けては如何かな?」 「また話が進まなくなるじゃないですか」 「脱線したがりよね」 「本筋ばかり追えば一本道で遊び心に欠けると批判され、ちょっと横道に逸れれば纏まりが無いと切り捨てられる――自分でもやってみれば良いではないですか!」 「誰の立場に立って、誰に向けた発言なんですかそれは?」 「どうせ、ゲーム雑誌か何か読んで、一遍言ってみたくなったんでしょ」 ごほん、と咳払いした後ジャッキー医師は話を再開した。
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