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「これはこれは。取り乱してしまいました。ともあれ、私がした説明の趣旨はご理解頂けましたか? 手ブレ様」
「ブレてねーよ! オレの存在ブレてねーよ! 生きてますよ? ここにいるよ? I LIFFですよ? はっ! これは夢? 幻? 妄想? はたまたセンモー? 空想の産物デスカ、ワタクシ?」
「それはそれは。私、とても優秀かつ献身的な人間味溢れる最高のイケメン精神科医を存じ上げていますが。ご紹介しましょうか?」
「……ツッコミがキツくないですか? 小説を読んでいる良い子の皆は決して真似しないようにね☆♪」
ピースサインなんかしてみる。
「実に上機嫌ですな。結構結構。さて。お願い事の内容についてですが」
「何でも有り、じゃないのですかジンさん」
「誰が爺さんですか。言葉にお気をつけ下さいませ手抜かり様」
眼光が鋭いよ?
「オレって不十分ですか? えーと、叶えられないお願い事もあるのでございましょうか、ジン様」
背筋を伸ばす、小心者の僕。
「遜(へりくだ)り過ぎです」
言いつつも口元の緩む、ランプの魔神。
「ここは一つ、にっくねぇむ、等と洒落てみるのも粋ではないでしょうか?」
「あだ名ですか? 初対面でいきなりそんなあなた焦らないで」
「私の名前がジンですから、ジンギスカン鍋奉行と、いうのは?」
「何でそこチョイスしたの? いや、確かに美味しいですけど。大体、元の名前が二文字しかないのに、あだ名要らないですって」
「遊び心が不足してますなぁ。風情に乏しい御仁だ。嘆かわしい嘆かわしい」
溜息を吐くジン。
「分かりました分かりましたよ。ったく。えーとじゃあれっ。そのぉ」
何か無いかな……
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